MPSロゴ FB98-FDSP3 EX取扱説明書 トップページに戻る
 PC-9800/EPSON 98互換機シリーズ用
VFO Floppy Data SeParator Ver.3
「FB98-FDSP3 EX」取扱説明書
この度は、PC-9800/EPSON 98互換機シリーズ用VFO FloppyDataSeParator Ver.3「FB98-FDSP3 EX」
をお買い上げいただきありがとうございました

この変換基板は、PC-9800/EPSON 98互換機で背面に「1MB FLOPPY DISK」コネクタを持つ機種に
接続し、フロッピードライブやエミュレータを外付けで接続・使用することができます

ちょっとした機能として、98用フロッピードライブや98で動くように設定されたフロッピーエミュレータの
ほかに、PC/AT互換機用のフロッピードライブを条件付きで使用することができます。98用/PC 用ドライブ
ともに2ドライブ対応です。PC 用ドライブ使用の「条件」についてはページ最下段の⑩をご覧ください


「FB98-FDSP3 EX」は前作FB98-FDSP2 EXと比較して
・基板むき出し状態から保護ケースが付いた
・PC/AT互換機用FDDモード時、ディスク交換の検出精度の向上化
・アダプタサイズの若干の小型化により、一部機種で物理的に取り付けられなかった問題を解決
あとは前作と同じく、2HD/2DD自動切換、フロッピーモーター制御機能も搭載しています

Ver.3まで続いた「FB98-FDSPシリーズ」としては、これでもう完成形だと自負しています


はじめに
PC-9800/EPSON98互換機シリーズは長期にわたり発売されたため、内蔵フロッピードライブの接続コネクタや信号に
統一性が無く、その特異性からか、現在フロッピーエミュレータを接続するには大変な困難を伴います

その中で多少の制限がありつつも、最初期~最後期の機種にいたるまで、ほぼ唯一ともいわれる共通コネクタである
「1MB FLOPPY DISK」コネクタを使い、信号や電源周りの仕様を共通化し、エミュレータやドライブの接続の敷居を
下げたのが本変換アダプタになります

「1MB FLOPPY DISK」コネクタがあれば、初代PC-9801から、E/F/Uなど2DD専用機の場合PC-9801-15を、
外付けフロッピー接続が拡張ボードという形で提供されているPC-9801FELLOW/PC-9821A-MATE 2代目以降
B/C/X/V/R/Sシリーズにも共通して接続することが出来るようになります(ボードを搭載できない機種は除く)

FB98-FDSP3 EX対応機種
コンピュータ背面に「1MB FLOPPY DISK」コネクタをもつPC-9800/EPSON 98互換機シリーズ
※ただしPC-98DO(コネクタ自体が無い)、PC-H98シリーズ・PC-98GS・PC-9821無印/Ce/Tsは除く

PC-H98/PC-98GS/PC-9821無印/Ce/Tsはコネクタがハーフピッチだという理由だけなので
何らかの方法でフルピッチメスに変換できるのであれば使用可能

・PC-9801E/F/Uなど2DD専用機には「PC-9801-15」
・PC-9801FELLOW/PC-9821B/X/V/R/Sシリーズには「PC-9801-87」
・PC-9821A 2代目以降には「PC-9821A2-E02」
・PC-9821C 3代目以降には「PC-9821C2-E02/PC-9821CX2-E02」
またはサードパーティ製品のフロッピーボードが別途必要になります

EPSON 98互換機に関しては対応機種情報が不足しているので具体的な機種は不明
(PC-486シリーズ以降はコネクタが無い機種がいくつか存在するようです)


接続対応しているのはこういうコネクタです
(アンフェノールフルピッチ50ピン)





PC-H98/PC-98GS/PC-9821無印などハーフピッチフロッピーコネクタの場合は、ハーフ→フル変換ケーブル
極性変換中継コネクタ(これの入手が難しい)→FB98-FDSP EX(全シリーズ)へ接続という回りくどい接続経路が必要です

付属内容物一覧
FB98-FDSP3 EXアダプタ給電用ケーブル
34ピン信号ケーブルweb説明書への案内カード
給電専用microUSBケーブル
基本的には、ケーブル類はなるべく代替がきく汎用性が高いものを使うように心がけています。
ケーブルの長さが足りない、または破損した場合は市販品で修理可能です(技術力が必要です)

機能説明


①「1MB FLOPPY DISK」に接続するコネクタ
しっかりと奥まで挿し込んで左右クリップで固定してください動作不良の原因になります

②FB98-FDSP3 EX からフロッピードライブ/エミュレータへの信号出力コネクタ    
HxC など1台で2ドライブエミュレートできるものは付属の1台用ストレートケーブルを使用、GOTEK
や通常のフロッピードライブなど1対1で接続されるものは2台用のケーブルを使用してください

2台用のケーブルはFB98-FDSP-K01(3.5インチ用)または-K02(5インチ用)をご利用ください

PC モードの場合はドライブ側信号線の先がねじれたPC用のフラットケーブルを使用してください

※付属のケーブルでも一応使用できますが、システム側からは4ドライブ目(通常は3ドライブ目)
として見えます。ドライブ番号決め打ちのプログラムなどに影響が出る可能性があります

③microUSB給電コネクタ(5V入力)
USB給電アダプタから、付属(または別の)microUSB ケーブルを使って給電します。⑧のLEDが点灯
すれば正常に電源が供給されています。microUSB コネクタは壊れやすいので、コネクタを抜き差し
する場合は慎重に行ってください(どこかにぶつけたりすると簡単に壊れます)  

④FB98-FDSP3 EX からフロッピードライブ/エミュレータへの電源供給コネクタ(5V出力)
付属の給電ケーブルでフロッピードライブ/エミュレータへの電源供給を行います。電圧的には5V
しか出ていないので、5インチフロッピードライブなど12Vを必要とするドライブは、別途12V対応の
ACアダプタで対応してください(その場合はFB98-FDSP3 EXとドライブへの別々の給電が必要です)

フロッピードライブ・エミュレータに関わらず2台接続をしたい場合はFB98-FDSP-K01(3.5インチ)
を使用するか、市販のPCドライブ用ACアダプタ+分岐ケーブルを使って各自で対応してください
ケーブルの長さが足りない、コネクタ増設・交換したい、破損したなどの場合は「EIコネクタ」で
検索・部品入手をしてください(2ピン・4ピン+対応端子)  

⑤2HD(1.2MB)/2DD(640KB)/2HD or 2DDの自動切替(98モード)
⑤スイッチモードに関わらず2HD/1.2MB固定(PCモード)
外付けは文字通り「1MB FLOPPY DISK」専用な為、通常は2HD/1.2MBしか読み書きできませんが、
このスイッチを切り替えることにより、2HDまたは2DDを切り替えることができます

ケースを被せると記録密度モードの文字が隠れてしまうため「上段」「中段」「下段」として
LEDの色とともに覚えてください(LED色:2HD→青・2DD→赤)

AUTO(上段)→フロッピーディスク(エミュレータ)の記録密度に応じてモードを自動切替します
   2DDの読み書きにも特別なドライバなどは必要ありません
   (ただし2DDのブート・フォーマットは専用ソフト/ハードを入れないと不可)
2HD (中段)→フロッピーディスクの記録密度を2HD(1.2MB)に固定します。2HDのフロッピーしか
   使う予定がない、自動切替モードでうまく切り替わらない場合は2HDを選択して下さい
2DD (下段)→フロッピーディスクの記録密度を2DD(640KB)に固定します。このモードで2DDを読み
   書きする場合は別途切り替え対応したドライバを必要とします

外付け「1MB FLOPPY DISK」インターフェースによる2DDのブートやフォーマットの方法は
FB98-FDSP3 EX補足事項→FB98-FDSP3 EXで2DDを読書きする方法をご覧ください

※このスイッチ操作は、記録密度切替という概念の無いフロッピーエミュレータ使用時にも必要です  

⑥機械駆動フロッピードライブの1.2MB/1.44MB切替ボタン
⑦1.44MBモード状態LED(緑色)
機械駆動式フロッピードライブで1.44MB/1.2MB/640KB 3モード切替タイプの場合、1.44MBの使用
を可能にします(モーターの回転数を360回転/300回転に切り替える)

デフォルトは消灯でボタンを押すことによりLEDが点灯しモードが切り替わります。切り替えの際に
98用/PC用ドライブの差異はハードウェアが吸収してくれるので意識する必要はありません
※もちろん⑤のスイッチが適切に設定されていることが前提となります

当然ながら「モーター回転数切り替え」という概念の存在しないフロッピーエミュレータや2モード
対応ドライブではボタンを押して点灯させても無意味です

消灯:1.2MBモード(デフォルト)

点灯:1.44MBモード
「1MB FLOPPY DISK」コネクタでは、例え本体フロッピードライブが3モード対応だとしても
1.2MB/640KBの読み書きしかできません。読み書きするには別途ドライバを必要とします
必要なドライバなどの補足情報は
FB98-FDSP3 EX補足事項→FB98-FDSP3 EXで2DDや1.44MBを読書きする方法をご覧ください

⑧フロッピーディスク記録密度状態表示LED
現在のフロッピーディスク(インターフェース)が2HD/2DDどちらのモードで動いているか確認できる
LEDです。2HD時=青、2DD時=赤になります
基本的には⑤のスイッチで自動切替時のモード確認用ですが、スイッチを2HD/2DDに手動切替した
時も変化します。自動切替モードでは電源投入 or リセット時に赤→青へと切り替わります
(98起動後に2HDのディスクを読ませると青に、2DDのディスクを読ませると赤に変化する)

⑨⑩は頻繁な設定変更は無いと考えケース使用時は中に隠れるようになっています。もし頻繁な変更を要する
使い方をする場合は、ケースを使用せず剥き身で使用してください(ケースの開閉はネジ止め部分を痛めるので)

⑨フロッピーモーター自動停止・再開設定→ディップスイッチ1
機械駆動のフロッピードライブを使用時、ドライブのアクセスが無くなった15~20秒後にモーターを
自動停止・再開させるか設定するスイッチです。モーター制御にややトリッキーな方法を使用して
いるためモーター回転再開時にトラブルを起こす可能性があります。トラブルがあまりにも目に
余るような場合はスイッチをDIS(ABLE)に変更してください、モーターが停止しなくなります

モーター的な動作を伴わないフロッピーエミュレータ使用時や、特にトラブルなく動いている場合は
ENB(ENABLE)のまま変更なしでOKです

⑩接続するフロッピードライブが98用かPC/AT互換機用か指定→ディップスイッチ2
 98→PC-9800 用:PC→PC/AT互換機用
FB98-FDSP3 EX は、通常の98用フロッピードライブや98用に設定されたフロッピーエミュレータの
ほかにPC/AT互換機用のフロッピードライブを使用することができます。ただし使用条件として
1:1.44MB/1.2MB/720KB(2DD)対応の3モードドライブであること
2:2DDモードは使えない、2HD 1.2MBオンリー(1.44MBモードは要:専用ドライバ)
3:すべてのドライブで使えるわけではなく、相性の悪いドライブもある
 

「PC-98用フロッピー」「PC/AT互換機用フロッピー」の違いについて、明確に「これだ!」と断定できる
方法は無いのですが(大体は経験で補ってる)、ドライブ周りに謎のジャンパピンが付いていればPC-98用だと
思ってください(ハズレもある)。なおこれは3.5インチの話で、5インチの場合はほぼFD1155D一択だと
思うので、あまり気にする必要はないでしょう。今でもwebに豊富な?設定情報がありますので

<最後に>あれ?不良品かな?と思ったら→Q&A
やや特殊なハードなので場合によっては動かない場合があります。事例を公開しておりますので、 もしもうまく動かなかった場合には一読ください→FB98-FDSP3 EX補足事項