MPSロゴ PM-AdSCSI98取扱説明書(グラフィカル版) トップページに戻る
この度はPC-9800/EPSON 98互換機シリーズ対応 CバスSCSIボード汎用内部信号分岐アダプタ
「PM-AdSCSI98」をお買い上げいただきありがとうございます

このアダプタは一部のボードを除き、基本的には内部増設用コネクタを持たないCバスSCSIボード上の
SCSIコントローラ(WesternDigital WD33C93Bとそのセカンドソース品)の上に「かぶせる」形で信号を
分岐させ、PC-9800/EPSON 98互換機内部にSCSI機器の内蔵を可能にします

また内部コネクタ(パターン)を持つボードでも、ユーザーでハンダ除去→コネクタハンダ付け→
適合するフラットケーブルを用意、という難易度の高い作業をしなくてよくなります
付属内容物一覧
PM-AdSCSI98ベース(SCSIボード接続側)両基板間接続用FFC(200mm)
PM-AdSCSI98コネクタ(SCSI機器接続側)簡易版取扱説明書(本書)

「PM-AdSCSI98」を使用できる条件
ボード上に「**33C93B(93A)」と
書かれた正方形のICチップがある
(**の部分はWDだったりAICだったり色々)
※古いSCSIボードだと、このチップが長方形の
ものや、PC-9801-100/AHA-1030、一部のICM製
SCSIボードにこのコントローラチップが載っていない
場合があります、これらのボードでは使用できません
正方形SCSIコントローラチップの周囲5mm
範囲に他のチップ部品が無く平らなこと

※かぶせるアダプタがチップ部品で浮いて
 しまい、接触不良の原因になります
ある意味一番重要!
パソコン内部に3.5インチ/2.5インチのSCSIストレージを設置できるスペースと、それに対応
した電源を確保できること。そういう意味では対応範囲はPC-9801FELLOW~PC-9821B/Xシリーズ
(PCIバスを搭載してない機種)が最適で、PC-9801Fx/A-MATE、PC-9821Cシリーズは相当
トリッキーな方法を駆使しないと使用できないです(物理的に無理な場合もあり)

PC-9801R/Dシリーズは拙作「PM-DOCE98/RD」を併用してください(むしろその為のハード)

設置方法

1:付属のFFC(Flexible Flat Cable)をベース・コネクタ基板に取り付けます。FFCコネクタの左右のツメを横方向
に引けばロックが外れます。FFCは絶縁側(青色のほう)を上にして取り付けてください(逆だと認識しません)


2:CバスSCSIボードの**33C93Bコントローラにベース基板(四角)を被せます。取付方向は
コントローラの型番上に●が付いている&ちょっとへこんでいるのが1番ピンで、ベース基板の
●と白い横線がそれに相当します。ベース基板はコントローラに対しどの方向にでも取り付けられますが、
この取付方向は絶対に間違え ないでください。間違えた状態でPCの電源を入れると一発で基板を壊します!


コントローラに被せる部分は「本来の使い方」とは異なる手法を取っているため少々硬いです、力いっぱいに
コントローラチップに向けて差し込んでください。また接触不良の原因となる為にむやみな着脱はご遠慮ください
(ちなみにSCSI機器を認識しない原因の90%くらいは、このはめ込みベース基板の接触不良が原因です)

注:SCSIボードの**33C93Bコントローラの取付場所や方向はボードによってさまざまです


3:コネクタ基板をSCSI機器に取り付けます。取付コネクタには逆挿防止の突起がありませんが、基本的に
SCSI-HDDでもSCSIエミュレータ系でも、FFCが上側(SCSIコネクタ誤挿入防止の切込がある方)に伸びるように
挿しこんでください。コネクタ基板を取り外す際は少し大変ですが先にFFCを取り外し、基板の左右を指で強く
抑えながら、じりじりと反対方向に引いてください。工具で引っ張ってもいいですが基板を壊す可能性もあります)


4:SCSI機器をPCに固定します、この部分は機種により異なります。取り付けにくい場合はベース・コネクタ基板
どちらかのFFCを一時的に外してください、FFCの長さが足りない場合はこの説明書の裏面をご覧ください

5:PCの電源を入れてSCSI機器が認識されれば成功です、お疲れさまでした。認識されない場合はベース基板の
SCSIコントローラチップの接触不良が疑われます、基板をチップに奥深くまで挿しこんでください


制限事項
PM-AdSCSI98を使用するとSCSIボードに標準で装着されているターミネータの関係で外付けSCSI機器に
影響が出ます。内蔵と外付けのSCSI機器を同時使用する場合は、CバスSCSIボードの内蔵ターミネータを
何らかの方法で無効化してください。ターミネータは大体外付けSCSIコネクタの側にあります

形状は色々で10ピンのSIP形状(2個または4個)、表面実装されている物や専用チップを使っているもの
さまざまです、これを物理的に無効にする必要があります、少し高度なハンダ付けの技量が必要です


SIP 2個タイプ(ICM IF-2769) SIP 4個タイプ(I/Oデータ SC-98II後期型)


表面実装型タイプ(I/Oデータ SC-98II前期型) 専用チップタイプ(エレコムEIF-98AWII)
(BIOSでターミネータの有効無効が設定できる)

低速転送で使用する場合、内蔵ターミネータを無効化しなくても内蔵・外付け同時使用できる場合が
ありますが、ひそかにデータ化けしたりハングアップしたりする可能性がありますので自己責任で!

なお、外付けSCSI機器を接続せずにPM-AdSCSI98内蔵のみで使用する場合は問題ありません

その他
付属のFFC(200mm)の長さが足りない、もしくは不手際でFFCを破損させてしてしまった場合は
別途通販でケーブルのみ購入することができます

aitendo → FFCケーブル★0.5-40P★ [FFC0540P] (https://www.aitendo.com/product/10493)

Sタイプ(電極面:同一面) → 200S(200mm)~ をお買い求めください

ベース基板のむやみな着脱は接触不良の原因となるため推奨しておりませんが、もしも接触不良になって
しまった場合は、SCSIコントローラーチップの上に厚めの両面テープを貼りベース基板を補強してください

トラブルシューティング
・SCSI機器を認識しない→以下の準備ができているかご確認ください
 1:FFCがコネクタの根元までしっかり挿さっているか
 2:FFCコネクタ根本のケーブルロックがちゃんとされているか?
 3:FFCの挿しこみ方向は合っているか?(青い方が表側です)
 4:ベース基板がしっかりSCSIコントローラーにはまっているか?(相当強く押し込む必要があります)
 5:コネクタ基板→SCSI機器への50ピン接続コネクタが横に1ピンずれてませんか?
 ※取付方向が違うとPCの電源を入れた瞬間、良くて電源保護回路が働く、最悪信号ケーブルが燃えます

・基板を各種ボードや機器に挿しこむ時に痛い→指との間にハンカチなどのクッションを挟んでください
・コネクタ基板をSCSI機器から抜くのが大変→FFCを外した後、基板を傷めないようにビニルテープを巻いた
マイナスドライバーなどで片方づつ「てこ」の要領で少しづつコネクタを浮かせて取り外してください

謝辞とあとがき
「PM-AdSCSI98」の原案となるCバスSCSIボードのWD33C93B PLCC44コントローラーから直接信号を分岐
させる方法を考案されたkenji_260様。この革新的なアイデアを使った本作の頒布を快諾していただき
ありがとうございました!

ちなみに接続にFFCを使ったアイデアは、とあるジャンク屋に積まれていたHDDレコーダーから取り外したと
思われるIDE世代のHDDに取り付けられていたIDE40pin→FFC変換基板からヒントを得ました。普通の
フラットケーブルだと接続元のベース基板が大きくなるし、色々な場所や方向に付いているSCSI
コントローラーに柔軟に対応できなくなるので(ケーブル壊しやすいのがデメリットですが・・・)

あとFFCのピンピッチ0.5mm&40ピンというのは、ベース基板の最小サイズに収まるコネクタサイズかつ
SCSIの総信号数(18ピン)+ノイズ対策に交互のGND(20ピン)+電源(2ピン)から割り出されています