MPSロゴ PM-SC301NS取扱説明書 Rev.D(グラフィカル版) トップページに戻る
PM-SC301NS(基板リビジョンC以前)を
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この度はPC-9801FA/FS/FX/PC-9821Aシリーズ用SCSI専用スロット信号スルー基板「PM-SC301NS Rev.D」を
お買い上げいただきありがとうございます

この信号スルー基板は、PC-9801FA/FS/FX/PC-9821Aシリーズに採用されている、筐体背面左端にある通称 「SCSI専用インターフェーススロット」または「縦SCSIスロット」用のボードになります



付属内容物一覧
PM-SC301NS Rev.D基板本体1個
SCSIコネクタ固定ブラケット1個
SCSIブラケット固定ネジ(M2.6)
※SCSIコネクタにあらかじめ装着済
2個
簡易取扱説明書(本書)1個

別途用意するもの
Cバス接続のSCSIボード
外付け用SCSIケーブル

※98内部の配線長が結構あるのでノイズ的な
意味でできる限り短いほうが良い(45cmくらい)

ちなみにPM-SC301NSのSCSI接続コネクタタイプは
アンフェノールハーフピッチです
通称「SCSI籠」と呼ばれるSCSI接続専用ハードディスクケース
NEC純正PC-9801FA-35/37やサードパーティ製品など
「PM-DOCE98/FA」でIDE籠をSCSI籠化したものでもいいです  
SCSI-HDD相当の動作をする内蔵ストレージ

今では正常に動く機械駆動の50pin接続ハードディスクを探すのも
大変なのでSCSI-HDDエミュレータを利用するのが良いでしょう
(写真はあいぼむプロダクツ製RaSCSI Adapter Lite)

ほかには・・・
変換番長PROSCSI2SDSD AztecMonster など

SCSIエミュレータ系は転送速度が1~2MB/sくらいなので、
SMIT転送SCSIの速度を生かすには機械駆動SCSIの大容量品か
SCSI2SD V6 or SD(CF) AztecMonsterが良い
(MS-DOSを使う限りではあまり気にする必要はないと思います)


設置方法

1:PM-SC301NSのSCSIコネクタにブラケット固定ネジが取り付けられているので、これを取り外します


2:付属の固定ブラケットをSCSIコネクタに合わせ、先ほど取り外したネジで固定する
ブラケットの取り付け方向は端とコネクタ穴が狭いほうが部品面です


3:ブラケットを取り付けたPM-SC301NSをPC-98本体のSCSI専用スロットに取り付けます
本体固定のネジ穴が合わない場合は、SCSIコネクタ固定のネジ穴を緩めて微調整してください


4:CバスにSCSIボードを差し込み、PM-SC301NSとSCSIケーブルで接続します


SCSIコネクタタイプはアンフェノールハーフピッチになります


5:接続が終わったら、ハードディスクカートリッジを前面カバーを取り外し
専用スロットに挿しこむだけです。特別な設定は必要ありません


追記:PM-SC301NSには内蔵50ピンコネクタパターンがあります。ここに50ピンのピンヘッダをハンダ付けし
Cバス上部にケーブルを通す穴があるAp2/As2以降で内蔵用コネクタパターンを持つSCSIカードを使用の場合、
内側からフラットケーブルで接続ができるようになり外観がスッキリします。ただし双方カードを抜く際には
カバーを開けてフラットケーブルを取り外す作業が必要になります
スルーボード設定&アドオンボード

PM-SC301NS Rev.Dには機能設定をする4連ディップスイッチがあります
1:A30SCSIインターフェース高速化設定
このスイッチを「OFF」にすると、スルー元のCバスSCSIボードの転送速度が
大きいファイル~細かいファイルにつれ20~300%ほど向上することがあります

ただし全てのSCSIボードで速度が向上するわけではなく、全く速度が向上しないものや
SCSIデバイススキャンでハングアップしたりする場合がありますので、よく考えて設定を
してください。また有効なのはMS-DOS上のみで、Windows95以降では設定するしないに
関わらず速度は変化しません(ドライバが元々RAM化で動いているので)
2:TRM内蔵終端ターミネータ設定
PM-SC301NS終端ターミネータの有効・無効を設定します
他の内蔵SCSI機器で内蔵ターミネータを無効化できないなどの理由で動作が不安定になる
場合はこのスイッチをOFFにして終端ターミネータを無効化してみてください、動作が
安定する可能性があります
3:ROM(SMIT化改造をした場合のみ)SCSI-ROM有効・無効
PM-SC301NSをSMITボード化改造した場合のみ
SCSIボードのSCSI-BIOSを有効・無効にします。部品移植元のSMITボードの
マニュアルを参照してください(機能の記述が無い場合もあります)
4:PnP(SMIT化改造をした場合のみ)SMIT SCSI I/Fのリソース割り当てモード
PM-SC301NSをSMITボード化改造した場合のみ
SCSIボードのリソース割り当てをレガシー(92互換)かPlug&Playにするか切り替えます
部品移植元のSMITボードのマニュアルを参照してください(機能の記述が無い場合もあります)


Cバス用SCSIボードの「王道」PC-9801-92とまりもさんの「HDB98」を使ってMS-DOSリアルモード下で計測
左画像がディップスイッチON(無効)、右画像がOFF(有効)。細かいファイルが特にアクセス速度が向上して
いるのがわかる(※PC-9801-92はPIO/DMA転送のSCSIボードなので、転送速度はCPU速度に左右されます)

なお同じく、まりもさんが作られた「SCSI_RAM Ver 2.00」 でも同じ効果を得ることができます。IPLwareなので固定ディスク起動メニュー展開/MS-DOS起動後の高速化になります(その代わり486機ほぼ全機種に対応)

A30ライン有効はITF段階の高速化なのでSCSIデバイススキャンが少し短縮化するなど気持ち程度利点があります


4連ディップスイッチの隣に黒いコネクタがあり、ここに別売りの2HD/2DD自動切替アドンボード
「FB98-EXCHAD」を取り付けることができます。詳しくはFB98-EXCHADのページをご覧ください

このスルーボードのメイン使用機種であるA-MATEでは2HD/2DDの自動切替のみになります
(2DDフロッピーのフォーマットやブートは別途ソフトウェアで対応)
PM-SC301NSのSMIT SCSIボード化改造

「PM-SC301NS」ではCバスSCSI信号のスルー化機能のほかに、現在でも中古で比較的入手しやすいSMIT転送
CバスSCSIボードの部品を移植することで、PC-9801F/PC-9821A-MATE専用SCSIボードとしては最高峰の
SCSI性能とCバススロットを節約することができます(現在ではCバスを全部埋める機会はないでしょうが)

ただし、それを実現するための工作難易度は相当に高いので 「どうしてもF/A-MATEで最強のストレージ環境を
手に入れたい」という強い欲求がある人以外は、素直にSMIT SCSI+スルーボード化にしましょう



現在でも比較的中古で手に入るSMIT転送SCSIボード
アイ・オー・データSC-98Ⅲシリーズ
BUFFALO(メルコ)IFC-NN/IFN-NS
ロジテックLHA-301(A)
ほかにもメディアインテリジェントのMSC-3000やRSB-3000(4000)SCSI2・加賀電子のSC55BX6や
TEACのIF-WBCなどありますが、流通量が超少なくて見かけることが稀なので省略します
キュービジョンのWaveSMITも音源+SMIT SCSIボードですが、コレをバラす人はまずいないと思うので省略で

SMITボードは設計リファレンスがあるが如く、ターミネータやROM書き換え回路以外の部分がほぼ共通なので、
PM-SC301NSでは回路の共通化ができています(SCSI-BIOSは各社カスタマイズしているようですが)

PM-SC301NSのSMITボードへの改造方法は別ページのほうで紹介しております。95%くらいの部品は元のSCSI ボードから転用できるようです、若干電子部品のお店で部品を調達する必要があります

警告!
やる人はいないと思いますが、この改造は色んな意味で危険なので絶対に!各種メーカーに問い合わせたりは しないでください。またSCSI-BIOSとか各種ドライバとかデリケートな部分もありますので、必ずハードウェア部 分もソフトウェア部分もバラバラにせず一緒に動かしてください。改造は自己責任でお願いします

PM-SC301NSのSMITボード化改造(別ページ)


「PM-SC301NS」を作るにあたり、参考にしたサイトやお世話になった方々
・SCSI専用スロットでSMIT SCSIボードが動いたという事実
 → 「Chibilly Page」「SCSI専用スロットにSMITを」 とおるちゃん様(Webサイト消滅・WebArchiveより)

・SCSI専用スロットのピンアサイン
 → 「まあぼの部屋」 「SCSIボードをスルーボード化しよう!」のまあぼ様
 (Webサイト消滅・WebArchiveより・Twitterをやられています)

・「スルーボード特殊設定」ことA30ピン制御によるSCSI-BIOSの自動RAM化設定
 →PC-98を少しかじった人なら知らない人はいないと思う「PC-98界のレジェンド」まりも様
 (通称「まりものページ」こと「PC-9821およびDOS/Vソフトウェアのページ」

・PM-SC301NSのSCSIコネクタ固定ブラケット金具製作
 →GUNMA 100V Maker様(Twitter @100vGunma)

・SMIT SCSIボードのピンアサイン解析とか回路再構成とか→自分
この場を借りてお礼を申し上げます

おまけ:「PM-SC301NS」型番の由来
サークル名「Project M.P.S」から頭文字PMを
アイ・オー・データのSMIT転送SCSIボードシリーズ「SC-98Ⅲ」からSCを
ロジテックのSMIT転送SCSIボード「LHA-301(A)」から301を
メルコのSMIT転送SCSIボード「IFN-NS」からNSを(何故かIFC-NNではない)
それぞれ名前を一部いただいて名付けました、安直でしょ?