「PM-DOCE98/DOP Lite」はNECのPC-9801&PC-8801ハイブリッド機である「PC-98DO+」の内蔵SASI-HDD
スペースに「たんぼ」氏開発「zato」氏改良のSxSIエミュレーションテクノロジーである「ArdSCSino」を内蔵し
SCSIボードで埋まりがちな貴重な1つしかないCバススロットを開放することができます
(内蔵SASIインターフェースを使用できるのは98モードのみとなります、88モードでは使用できません)
以前頒布していた
「PM-DOCE98/DOP」は、変換基板のほかに「RaSCSI」や「変換番長シリーズ」など
別途SxSIエミュレータを必要とし、実際にPC-98DO+で使えるようになるまで色々な接続や設定などを必要と
しましたが、PM-DOCE98/DOP LiteはArdSCSinoを使用することで基本的に電源と本体ディップスイッチの
設定のみで動作するように、できる限りの設置簡略化を図っています
(ディスクイメージもブランクイメージをTFカードに入れてPM-DOCE98/DOP Lite本体に差し込むだけで使えます)
「ArdSCSino」は現在海外で主流の「BlueSCSI V2」や「ZuluSCSI」などと比べて、かなり古い技術のSxSIエミュレータで
転送速度もあまり速くありませんが、日本のコンピュータ、特にPC-9801の”特殊仕様”SASIやPC-9801-55 SCSIなど
古いストレージ規格に対応する数少ないSxSIエミュレータになります(あと対応するのは同じく国産の変換番長V4くらい?)
ちなみにPC-9801で「純粋なSASI-HDD」を搭載したものはPC-98DO+とPC-9801CSのみになります
後は全部ST-506 SASI変換(その純粋SASIも本体への接続方法が両機種とも異なる鬼畜仕様)
PC-98DO+への組み込み方法
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1:まずPC-98DO+の筐体カバーを開けます。Cバス籠の上
電源ユニット寄りの場所に本来のSASI-HDD(PC-98DO/P-35)を
取り付け固定する金属製の”ツメ”が2つありますので
このツメをマイナスドライバーなどで軽く広げてください
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2:続いてPC-98DO+のフロッピー2ドライブ側そばにバンドで
束ねられた本来のSASI-HDD用電源ケーブルがありますので
これをバンドから外して広げておいてください
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3:変換基板を組み込む前に、メインボード上にあるJP2
ジャンパが[2-3]になっているか確認します。これが[1-2]に
なっていると、内蔵SASI I/Fが有効にならず
PM-DOCE98/DOP Liteを認識しません
JP2ジャンパの場所は赤い丸の部分にあります
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4:ジャンパの確認が済んだら、PM-DOCE98/DOP Liteを
PC-98DO+に組み込みます。コネクタ類が密集している側の
左右に”くぼみ”があります。このくぼみに「1:」で広げた
ツメを差し込み、電源側にスライドさせ基板を差し込みます
そしてPC-98DO+の電源ユニット側にぶら下がっているどこにも
接続されていない34pinコネクタ(これが内蔵SASIコネクタです)を
PM-DOCE98/DOP Liteのコネクタに接続します。ついでに「2:」で
広げておいた電源ケーブルを4ピンコネクタに接続しておきます
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EX:基板サイズの都合上、土台の満足な固定ができず基板が
物理的に動きます。金属部分への接触はしないように配慮して
設計していますが、不安な方は両端に強力な両面テープを
貼って金属部分に接着してください
同じ理由で底面貫通端子がむき出しですが、これも金属部分に
接触しないように設計しています。必要に応じて絶縁テープ
などで絶縁処置をしてください
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5:PC-98DO+の本体ディップスイッチSW2-6をOFF
(内蔵固定ディスク使用)にします
※意外とこの作業を忘れがち
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6:PM-DOCE98/DOP LiteのTFカードまわりの設定を行います
FAT32(またはexFAT)フォーマットしたTFカードに、ダウンロードした40MiBのディスクイメージを展開して
PM-DOCE98/DOP LiteのTFカードスロットに差し込むだけです→ディスクイメージのダウンロード
もう少し自由なディスクイメージを作りたい場合は「ArdSCSino」で使えるディスクイメージを作るを参照してください
ただし、この記事はSCSI用なのでSASIで使用したい場合は少しファイル名やパラメータを変更する必要があります
ディスクフォーマットに使うOSはPC-98DO+のV33Aという非力なCPUと640KBまでしか積めないメモリ
40MiBまでというハードディスク容量の制限から、MS-DOS3.3までがお勧めです。5.0はちょっとキツいかも
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PM-DOCE98/DOP LiteをPC-98DO+で使用する際の制限事項
PC-98DO+で内蔵SASIインターフェースを使用する場合は、SASIというハードディスクインターフェースの規格上
最大認識容量は40MiBまでとなります
またSASI規格ではハードディスクは最大40iBを2台まで接続できることになっておりますが、PC-98DO+の内蔵SASI
インターフェースは
2台設定を行っても1台分しか認識されません
PM-DOCE98/DOP LiteやArdSCSinoの制限というより、PC-98DO+の内部の物理的な制限ですね
そういう仕様なので、40MiB以上の容量を使いたい場合はディスクイメージの動的な切替で対応してください
PC-98DO+のSASIに関する「おまけ」
すぐ上で「PC-98DO+の内蔵SASIは40MiBまでしか認識しない」と書きました、実際40MiB 1台までしか認識しません
1980年代末頃のゲームやアプリケーション事情ならば40MiBもあれば十分でした
ところがハードディスクが内蔵できるとなるとハードディスク対応のゲームがインストールしたくなる→
ハードディスク対応(専用)となると1本あたりの容量は余裕で7~20MiBに達し、ヘタすると1・2本ゲームを
インストールしただけで40MiBの容量がパンパンになってしまいます
40MiBのディスクがパンパンになるたびにアンインストールを繰り返すか、ディスクイメージの交換を
やっていたのではストレージエミュレータの運用として面倒でたまりません
せめてSASI規格限界の80MiB、できればMS-DOS3.3で管理できる限界の128MiBまでハードディスク容量を
拡張できればもう少し空き容量のやりくりが楽になるのに・・・そう思いますよね?
そこで唯一のCバスをSCSIボードに割り当てて容量拡張!となるとPM-DOCE98/DOP Liteの存在意義が
消えてしまうので、その方法はなかったことにしてください
「ハードディスクは40MiBもあれば十分!」という方も、ここから先は不要な作業なので読み飛ばしてください
この方法は無保証・ノンクレーム案件です!当方では「たまたま上手くいった」というだけで
全ての環境で同じという保証は全くありません。完全なる自己責任にて試してください!
さて
「PC-9801SASIの雑談」にも書いていますが、SASI規格もST-506規格も後のSCSIやIDE規格のようにハードディスクから
ベンダ情報(ドライブ型番や容量など)を取得することができません。なので基本的に接続されているドライブ容量は本体側
インターフェース(BIOS)側による「容量決め打ち」で対応することになっています。ですので20MiBのドライブが繋がっているのに
40MiB設定にすれば20MiBを超えるとディスクエラーがボロボロ出ますし、逆に40MiBのドライブが繋がっているのに5MiB設定に
なっていれば、残りの35MiBは使われずに無駄になるという仕組みです
逆に考えれば
「PC-9801のディスクBIOS側からは接続されているハードディスクの容量上限を知ることができない」わけで
後にいろいろと問題を引き起こすIDE-HDDの「4351MiB(4.25GiB)の壁」やSCSI-HDDの「8192MiB(8GiB)の壁」による起動時や
超過部分アクセス時のハングアップや超過容量部分を認識しないなどのディスクBIOSがらみのトラブルは起きないことになります
PC-98DO+のSASI 40MiB「突破」手順
まず前提としてMS-DOS3.3で認識できるパーテイション1つあたり最大128MiBという話で進めていきます。スクリーンショットも
ここからMS-DOS3.3D使用に変わります(諸事情で一部MS-DOS6.2使用)
1:まず130MiBくらいのブランクイメージを作りTFカードにコピーする
「130MiB」なんていう半端な容量にしたのは理由がありますが後述。当サイトから配布されているディスクイメージ詰め合わせセット
の中には128MiBはあっても130MiBのものはないので
「「ArdSCSino」で使えるディスクイメージを作る」を参照して自前で作成する
必要があります(ファイル名はHD00_256.hdf)
作成した130MiBのディスクイメージがPC-98DO+でハードディスクとして認識され、40MiBのディスクとして
フォーマット及びMS-DOSが正常に起動できるか確認します
2:特殊なプログラムで40MiBの容量制限を撤廃する
ここで
「PC-9801USのひとりごと<ハードディスク編>」でも紹介したREIでおなじみ(?)、こうのたけし氏開発
「clmodify/ideinfo」(vector)を用意します。5インチフロッピー機であるPC-98DO+にどうやってインターネットからダウンロードしてきた
ファイルを受け渡すか悩むところですが、すでに外付け3.5インチフロッピードライブを持っている場合は3モード対応USBフロッピー
ドライブを、持っていない場合は非常に手間がかかりますが
PPMMCDRVのドライバ受け渡し手法を使うか各自対応をしてください
容量を拡張するには、まず接続されているストレージの容量を知る必要があるわけですが、前述の通りSASI/ST-506には容量を
取得する手段がありません。IDE搭載のPC-9801USの場合はIDEINFコマンドを実行すると現在の容量ステータスと最大
どのくらいまで容量を拡張できるか親切に教えてくれるわけですが、IDEインターフェース非搭載のPC-98DO+では左の画像の
ように実行段階でハネられてしまいます。なので「大まかに〇〇MiB」と推測値を手動で計算する必要があります
確保したい容量はMS-DOS3.3で扱える1パーテイション当たり最大128MiBなので
A)SASIのH/Sディスクパラメータ=256バイト×33セクタ×8ヘッド=1シリンダあたり67,584バイト→
B)128MiBをバイト換算(2^20=1,048,576byte)にすると128×1,048,576で134,217,728byte→
C)128MiBのバイト換算した総容量を1シリンダ数で除算して134,217,728÷67,584=1,985(.9)になります
D)・・・ただ、この計算式だとキッチリ128MiBにならないので(代替セクタとかの関係?)さらに50引いて1935が128MiBです
ディスクイメージに対する128MiBの「終点」がどこか分からない、もしかしたら何シリンダ分か少なく設定しないといけない
かもしれない、そこを失敗するとディスク最末端のデータが壊れる恐れがあるため、元となるディスクイメージサイズを
少し余裕を持たせて「130MiB」を確保しました。何十ギガもの半導体ストレージの時代、2MiBなんて誤差でしょ?
PC-9801の16bit管理シリンダ数から逆算すれば最大確保容量は1シリンダ67,584バイト×65,535シリンダなので4223MiB!?
いや無理でしょ、せいぜい500MiB~1GiBくらいじゃないかな?
SASIのあまりの転送速度のトロさに間違ってもギガオーバーで試す勇気はありません。せいぜい500MiBまでです
3:MS-DOS標準のフォーマットコマンド(FORMAT.EXE)でハードディスクを初期化・領域確保する
余談ですが、ハードディスクフォーマットソフトはMS-DOS標準のFORMAT.EXEのほかに幾つか存在し、そちらの方が高機能な
場合がほとんどなのですが、いざそちらのソフトでフォーマットをしようとすると、そもそも8086/V30系CPUがサポート外
だったり、256byteセクタに未対応だったり(これが一番多い)で出鼻をくじかれることが割とあります。結局は8086系CPUと
ともに歩んできたMS(PC)-DOSというのが一番の組み合わせなのかもしれませんね
(ただ今近のギガオーバーの容量を持つハードディスクとは、古い仕様のMS-DOSとの組み合わせはすこぶる悪い)
はい無事、PC-98DO+の内蔵SASIで128MiBの容量が確保できました
4:作業的にはここで終了ですが「念には念を」ということで、この確保した128MiBが正常に全領域使えるかディスクチェックをします
作成した領域に128MiBに近いランダムなダミーデータをコピーし(これがなかなか大変)、MS-DOS6.2に標準搭載の
SCANDISKをかけます。MS-DOS6.2を所有していない場合は、それに準ずるディスクチェックソフトを各自使用してください
外部記憶媒体からのPC-98DO+ SASI-HDDへの128MiBランダムデータの書き込み、SCANDISKによる全クラスタチェックが
両方とも問題なく完走したら、ようやく全作業終了です
このように標準サポート40MiBを超える容量領域を使用したい場合は、それなりの手間とリスクが
生じますので「どうしても!」という場合でもない限り手を出さない方がいいです。あくまで
「技術的には可能です(常套句)」なのですから