RaSCSIとは ~「はじめてのRaSCSI導入マニュアル」の冒頭より引用~
RaSCSI とは、GIMONS氏(Twitter:@GimonsW)が開発した、Raspberry PIを使いSCSIデバイスをソフトウェアで
エミュレートし、実機からは実際にSASI/SCSIデバイスが繋がっているように振舞う、長年ストレージの問題に
悩まされてきたレトロPCにとっては革新的なプログラムです
~引用終わり~
本来は同氏開発のX68000エミュレータ「XM6 TypeG」の
SxSIストレージ管理技術を転用したサブセットプログラムで
想定機種もX68000系がメインなのですが、SCSIという機種の垣根を越えるプロトコルを使用しているため、X68000系
のみならず、PC-98やFM TOWNSなどSCSIインターフェース搭載機器にも使用することが出来ます
(ただしRASDRV/RASETHERなど周辺プログラムを含めると、X68kで最大のパフォーマンスを出せるよう設計されています)
また「RaSCSI」はRaspberry PI上で動くSCSIエミュレータプログラムの総称で、それを載せる変換基板はRaspberry PIの
GPIO3.3VをSCSIの5Vに電気的に変換するものになります。変換基板の基本は電圧レベル変換が役割ですが、アクティブ信号
などと連携して、SCSIのデバイススキャンに「待った!」をかける機能を持つものもあります
「GIMONS DEVELOPER WORKS」でのRaSCSIプログラムの公開及びサポートは終了いたしました
通常版(Raspberry PI OSを使用したVer)はいくつか派生が存在します(別項で解説します)
通常版(最終公開バージョンは1.52b)
プログラムの実行にOS(Raspberry PI OS)を介するタイプ
メリット
・ネットワークによるほかのPCとのディスクイメージデータの共有やリアルタイム操作
・外部USBストレージ使用などのRaspberryPIの恩恵を受けることが出来る
デメリット
・OSからの起動なのでRaSCSIプログラムの起動にやや時間がかかる
・実際にRaSCSIを使えるまでの設定にLinuxのある程度の知識が必要になる(導入支援スクリプトがあります)
・また接続先のPCの電源を落とす前に手動でRaspberryPIの電源をシャットダウンする必要がある
※OSのシャットダウン作業をしない急な電源断、通称「電源ブチィ」はディスクイメージーデータやOSの破損を誘発しやすい
ベアメタル版(最終公開バージョンは1.52bL20)
RaspberryPIをコンピューターとして扱うのではなくマイコンとして扱う
(説明が難しいですが、OSが仲介せず直接RaspberryPIのハードウェアを操作して各種機能を実現する方式)
メリット・デメリット
リンク先で全て語られていますが、ディスクイメージを頻繁に入れ替えない固定運用向き
起動が速くて、突然の電源OFFも安心
またファイルシステムがFATなので、WindowsマシンなどでSDカードを接続してそこにディスクイメージをコピーして
設定ファイルを書き換えればイメージの切替が出来る
その代わり、ネットワークに接続することは出来ないスタンドアロン運用向き
どちらも既存のRaSCSIアダプタに変更を加えることなく使用することが出来ます
私はRaspberry PI OSを使う版を「OS版」、ベアメタル版はそのままの名称で呼んでいます
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